スコットランドまめ知識

 スコットランドというと、日本からは遠い国で、あまり馴染みのないような気がします。しかし、実は知られていないだけで、私たちの生活の多くに深くかかわっているものが、スコットランド生まれだったりします。

 私もスコットランドを好きになって、いろいろ調べていくうちに、いくつもの「へえー」がありました。その一部を紹介します。

タータン・チェックとバグパイプ

 「英国」と言って、日本人がまっさきに思いうかべるものといえば、タータン・チェックのキルトを身につけ、バグパイプを吹く男性の姿ではないでしょうか。そのどちらもが、もともとはスコットランドのものです。

タータン タータンとは、スコットランドで独自に発達したチェック柄のこと。タータン・チェックというのは、実は和製英語です。

 その柄はもともと、自分が属する氏族(クラン)を表すものでした。ちょうど日本の家紋のようなものです。

 だから、マッケンジーさんはマッケンジーさんの、マクファーレンさんはマクファーレンさんのタータンを身につけたのです。

 しかし、現在では、誰もが自由に、自分の氏族以外のものでも身につけることができます。マクファーレンさんがマッケンジーさんのタータンを着用してもかまいません。

 とはいえ、やはり基本的には、自分の氏族のものを身につけることが多いようです。私のスコットランドでの大家さん兼友人のルイーズには、同じくスコットランド人の恋人がいたのですが、彼は自分の出身地のハイランド・ゲームを見学に行くとき、きちんとキルトを身につけていました。

 赤が基調のタータンでしたが、聞いてみると、それはやはり自分の氏族を表すものだということでした。

 タータンのスカートは、お土産屋さんに必ず置いてある一品ですが、値段も1万円前後とまあまあお手ごろなので、お土産にもおすすめです。年配の女性には、特に喜ばれる一品だと思います。

バグパイパー またバグパイプは、本来、戦争の時に大きな音を出して、相手を威嚇するためのものでした。

 バグパイプの音は、本当に驚くほど大きく、よく通ります。日本でも、テレビなどではよく演奏している姿とともに音が流れますが、案外と生で聞いたことのある人は少ないのではないでしょうか。

 スコットランドでは、フェスティバルにバグパイプの楽隊が出たり、観光地でもバグパイプの奏者がいたりします。

 バグパイプ人口は決して少なくはないようで、近くの公園で練習している人もいました。スコットランド人としての誇りを大切にする親たちは、子どもにも積極的に習わせるようです。

 ちょうど沖縄を歩いていると、どこからか三線の音色が響いてくるように、スコットランドではバグパイプの音色が聞こえてきます。まだ聞いたことのない方は、ぜひスコットランドで生の音に接し、私と同じ驚きを味わってみてください。

 写真はネス湖で演奏していたバグパイパー。身につけているのはバグパイパーの正装、ハイランド・ドレスです。

蛍の光

 日本では卒業式の歌として知られる『蛍の光』。この曲がもともとスコットランド民謡だというのは、結構有名な話かもしれません。

 スコットランドでの曲名は『Auld lang syne』といいます。これはゲール語で、英語にすると"old long since"、遠い昔、という意味だそうです。

 スコットランドに古くから伝わる作者不詳の民謡に、スコットランドの国民的詩人、ロバート・バーンズが詩をつけたものです。日本の『蛍の光』の詞は、明治時代、稲垣千穎(ちかい)という人によってつけられたもので、バーンズのオリジナルの詩とはまったく違うものです。

 『Auld lang syne』は、旧友との再会の歌で、卒業式で歌われるということはないものの、スコットランド人の友人いわく、「心が熱くなって、涙が出そうになる歌」なのだそうです。その時はふうんと聞き流していたのですが、今回、初めてじっくり詩を読んでみると、そんなふうに教えてくれた友人を思い出し、涙が出そうになりました。

詩の出だしを紹介します。

Auld lang syne
ロバート・バーンズ作詞

Should auld acquaintance be forgot,
And never brought to mind?
Should auld acquaintance be forgot,
And auld lang syne!

(日本語訳)

遠い昔  

懐かしい友を 忘れるだろうか
二度と 思い出さなくなるだろうか
懐かしい友を 忘れるだろうか
遠いあの日のことまでも!

 対訳の出典ホームページはこちら。ぜひ、通して読んでみてください。

スコットランドとゴルフ

 スコットランドは、ゴルファーたちの天国です。数多くの伝統ある有名なコースがあり、何より、世界初のゴルフ場、セント・アンドリュースもあります。

 セント・アンドリュースには6つのコースがありますが、特にそのうちのオールド・コースは、ゴルファーたちの「聖地」。四大メジャーのうち最も長い歴史を誇る全英オープンも、このオールド・コースで開かれています。

 ゴルフは、その起源にも発祥地にも諸説あり、真相はいまだわかっていないのですが、スコットランドの羊飼いの遊びから始まったという説もあります。

 よく考えたら、ゴルフはとてもユニークなスポーツだと思います。例えばサッカーや野球のように、ボールをめぐって相手と直接対決するというのは、競技としてとてもわかりやすいように思います。
でも、ゴルフは、はるか遠いところにある穴に、先にボールを入れることができたほうが勝ちです。直接ぶつかることはありませんし、なかなか気の長い話です。よく考えると、「そもそも何でそんなことしよと思たんやろ?」と不思議になります。

 その発想のユニークさと、淡々とことをすすめるマイペースさと律儀さ、そして最終的には小さな穴に入れるという緻密さは、私のスコットランド人のイメージによく合います。そんなわけで、私は勝手に、「ゴルフの発祥地はスコットランド説」を信じています。

日本からスコットランドへのアクセス>>

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