スコットランドの英語、グラスゴーの英語

 スコットランドの英語って、スペイン語みたいやね、と言った知人がいます。確かに、スコットランドの英語には、英語とは思えぬ語気の強さがあります。ところどころ跳ねるように発音し、Rの巻き舌も、どんだけ舌まくねん、と聞きたくなるくらい強いものです。

 そして、語尾がひゅっと上がる独特のアクセントも印象的です。 特にアメリカの英語を聞きなれたような人なら、ぱっと聞くと、これがほんまに英語?と思うかもしれません。

 そんなスコットランド英語の中でも、グラスゴーは独特のなまりがあることで有名です。産業都市のグラスゴーは、労働者階級の多い街。だから、労働者階級特有の話し方をする人が多いのです。

 英国では地方ごとに方言、なまりがあります。その上、階級によってアクセントや言葉遣いが違います。国営放送のBBCで使われている英語(イングランド南部の中〜上流階級の言葉)が標準語とされていますが、実際、あの言葉を話す人は、全英で3%程度しかいないということです。

 地方のなまりでひとひねり、階級のなまりでふたひねりされたグラスゴーの英語は、正直、まったく聞き取れません。私はもともとリスニングが弱いので、本当に困りました。同居人のルイーズは中流階級で、私に合わせてゆっくり話してもくれるので、6週間の滞在の後半では、かなり聞き取れるようになりました。

 しかし、スーパーのレジの人が早口で聞いてくる言葉などは、最後まで聞き取れませんでした。

 グラスゴーなまりが一体どんなのかを知るには、スコットランドの映画を見ていただくのが一番です。映画についてはまた別に詳しくご紹介しますが、ここでは『トレインスポッティング』に触れておきます。

 『トレインスポッティング』は、スコットランドのヤク中の若者たちが主人公の映画で、ユアン・マクレガーの出世作です。主人公とその仲間は、全員がスコットランド弁全開でしゃべります。中でもベグビーという人物のなまりはすさまじく、アメリカでこの映画が公開されたとき、ベグビーのセリフには字幕がついたそうです。

 このグラスゴー弁、あまり私を受け入れてくれなかったことは少々恨みがましく思っているものの、それでも私からすれば、とてもチャーミングに聞こえました。労働者階級の英語には俗語も多く、英語を学ぶ外国人が決して真似すべきでないものも多いのですが、中流のルイーズの英語など、のんびりした風情があって素敵でした。

語学学校

 よく語学学校などで、スコットランドで学ぶとスコットランドなまりの英語にならないかと心配するようですが、私はできればあんななまりでしゃべれるようになりたかったくらいです。

 よく語学留学の案内などで、留学を考えている人からの、「スコットランドはなまりがひどいそうだけれど、留学してなまりがうつらないだろうか」という内容の質問を目にします。そしてその問いには必ず、「語学学校の先生はなまりのない標準的な英語をしゃべるから大丈夫」という回答がついています。これは本当なのでしょうか。

 私の経験から言えば、確かに学校の先生はあまりなまっていません。ただ、学校を一歩出れば、そこはスコットランドです。滞在先の同居人の言葉や、街中での接する言葉は、すべてスコットランドなまりです。

 多くの人が、学校で先生の英語と接するより長い時間、スコットランドの英語と接することになると思います。留学期間が短ければ気にすることはないと思いますが、長くなればなるほど、やはりスコットランドのなまりが自然と染み付いてくるでしょう。

 どこの英語圏の国でも、その国の英語の特徴があります。アメリカの英語も、イングランドの英語も、カナダの英語も、スコットランドの英語も、オーストラリアの英語も、みなそれぞれの特長、それぞれのなまりがあります。

 留学して英語を身につけると、その地の英語の影響を強く受けます。語学留学で、スコットランドなまりを身につけたくないなら、やはり留学先としてスコットランドを選ぶのは避けたほうがよいと思います。

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