SWEET SIXTEEN(スウィート・シックスティーン)
外国の映画は、その国の文化や風俗を知るとても良い手段ですよね。私もスコットランドに行く前、映画を何本も見て、憧れとイメージを膨らましていました。また帰ってきてからも、スコットランドが恋しくなるたびに見ています。
ここではぜひ見ていただきたい、おすすめのスコットランド映画を三本、紹介します。
『SWEET SIXTEEN(スウィート・シックスティーン)』(ケン・ローチ監督、2002年)
グラスゴーという街は、活気があっても、どこか頭上の空にどうにも動かない暗雲が居座っているような空気があります。その暗雲の部分を描いてあるのがこの映画です。
主人公はグラスゴーの郊外に住む少年・リアム。もうじき16歳になろうとしています。服役中の母親が近々出所することになり、リアムが期待に胸を膨らませるところから物語は始まります。青春映画ではあるのですが、見終わった後に胸の痛いこと。タイトルのスウィートという言葉がもの悲しく響きます。
また、グラスゴーのひんやりした空気感と、スコットランド人の情の濃さを、とてもよく伝える映画です。
ローチ監督は、労働者階級や紛争下の国などで、あえぎながら生きる人々の姿をつぶさに描くことで知られる社会派の名匠です。『SWEET SIXTEEN』で2002年カンヌ映画祭脚本賞を、アイルランド紛争を描いた『麦の穂を揺らす風』で、2006年にパルムドール賞を受賞しました。
『SWEET SIXTEEN』以外にも、『マイ・ネーム・イズ・ジョー』、『やさしくキスをして』などで、労働者の街・グラスゴーを舞台にした映画をいくつも撮っています。
『SWEET SIXTEEN』は、そんなローチ監督の、最高傑作の呼び声も高い作品です。ただ、どんなに面白いといはいえ、ヨーロッパの映画です。ハリウッド映画のような面白さ、サービス精神を期待してみると、期待はずれかもしれません。静かな水面に釣り糸をたれるような気持ちでどうぞ。
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